その先に希望はあるか,東広島産マスク販売のこれから

その先に希望はあるか,東広島産マスク販売のこれから

現在在庫の多くをそのまま販売する状況になり,もはやドラックストア開店と同時になくなる現象と同じ様相を呈してきました.しかしながら,生産者さんの生産能力,医療関係などへの優先的な納入などでなかなか一般供給に回せていないのが実情です.今回はマスク販売の今後について記述していこうと思います.

長期戦によるマスクのより広い需要

生産者さんとの話でも医療関係者の間でも本マスクの認知度と実際の運用による信頼が向上して更なる受注が行われているとのこと,一般向けの出荷が遅くなっていくことが予想されています.

さらに,現在東京をはじめ大都市が非常にマズイ状況にあり,さらに東広島でも市中感染が確認されたことにより,一般市民のマスク需要もさらに高まることが予想されます.マスクの生産と供給は喫緊の課題であり,販売側もどこから卸していくか,やむを得ないですが,福祉介護などの依頼を先に放出するなどの対応を迫られています.

供給先を自分で決められてしまう,命の選択が自分にも

私一人の手でマスクのいきわたる人とそうでない人を選別してしまう覚悟はかなりきついです.医者がサージカルな状況で命の選別をするように,緊急事態の中で私もまた,供給先を選んでしまっていいのかそれによって困る人がさらにいるのではないかという孤独と不安が非常に大きく感じます.

確かにこれまでのボランティアや災害復旧は,もちろん迅速であることは必要でしたが,差し迫った要請への選択的回答を迫られることは少なかったように感じます.明日災害復旧ボラに行けなくても,明後日には人が行けるかも.その明後日であってもさしあたっては家の片付けが一日変わるかどうかくらいです.

しかし今は違う.同じ東広島であっても状況と対応が全く異なる中.このマスクという物資が皆さんの衛生的環境を担保するうえでもどれだけ健康面を左右する問題になるのか

電話口やメールでの応対における悲痛な声を散見します.私たちがSNSやテレビ新聞の情報には上がってこない,現場の生の声を聴くたびに,胸を痛めます.

今私ができることは,まずは自分が健康であり続けること

コロナ以外でも浮かび上がる社会機能の不全

仮にコロナではなくても,東京で別の病気で救急搬送を要請した患者の受け入れを数十件断られ,結局自宅での様子見をお願いされたそうです.確かにその方は様子見で済んだのかもしれません.でもやはり救急車を呼び自体はかなり深刻だと思います.昨日まで本当に困ったら119番して病院に行けたことが,行けなくなる.救急現場のひっ迫度合いももうかなり深刻なのだと思います.

もしかしたらメディアも取材能力が低下しているのかもしれません.結局どんなにSNSが発展しても,我々が受け取る情報には限りがあります.現場の生々しい情報というのはなかなかオンライン化されないのです.

オンライン化されないとどうなるか.情報を受け取るばっかりの市民は,その状況が「真実」であり,なかったものとして認識されます.

情報化されない現場は知らないこと,ないものと扱われ,情報化社会には記録が残らない.

SNSの台頭は,やはりほかにその現場にいた誰かがツイートして拡散したことが多かったと思います.いま,この行動制限下では,そのツイートしてくれた誰かもいません.当事者自身が発信しないとオンライン情報にならない.これが「withコロナ」時代の特徴の一つかもしれません.

身の危険,ストレスとの闘い

前述でもありましたが,電話口やメールでの悲痛な声は,それはもう非常につらいものです.それを受け止めるだけでも本当に大変です.対応しているこっちが気がめいってしまいそうです.

確かにマスク対応は必要な人からの注文を受け付けて,発送,販売するだけです.でも実際には,販売当初は全然知られず,本当に効果を発揮するの?と聞かれてばかりでした.また,いったん著名な方に取り上げてもらったら,私も,俺もと注文が殺到するわけです.

私はできるだけこの認知度が徐々に上がっていくように仕向けながら行ってきましたが,実際にうまくいったか分かりません.緊急事態における人々の心の風を読み解くのは難しかったです.正直現在の注文の殺到ぶりはちょっとキャパオーバー気味です.

注文対応や販売における関連リスクの不安による身体・精神的ストレスは計り知れません.なんせ今まで誰も経験がないのであれば,かかるストレスは予想できないほどです.

社会的孤独と不安

医療従事者の家族がいじめや誹謗中傷の対象になるというニュースを耳にしました.また物流や販売,介護・福祉関係の方でもそうした事例があったようです.見えない恐怖と戦うことだけでも相当大変なことです.これは良くも悪くも多くの人が家で安全を担保された状況でそうしたニュースを聞いてもイメージがわかないんだと思います.

また,学生チームもあくまで有志であり,何か恒常的な団体名を持って行っておりません.これは万が一コロナ感染が発生したり,何かを不名誉なことが起きた場合の逃げでもあります.団体であればその団体としての責任を明確にしなくてはなりません.即席の学生チームにそこまでの負担を負わせるわけにはいきません

みなさんになってほしいわけではありませんが,実際に物流・販売側になると見えない不安や恐怖の大きさで毎日おなかが痛くなります.声にこたえていくことがどれほど大変なことであるか.身をもって体験させられています.その一方で,こうした現実を知らない若者や学生はどうも無関心に見えます.あぁそんことしているんだ.それくらいの認識は,頑張っているこちらとしては悲しくなります,でもそのほうがいいのかもしれません.この見えない戦いに対しての過敏にされるとそれはそれでいじめや誹謗中傷につながる可能性もあるので,いまは無関心くらいがちょうどいいのかもしれません.

終わりの見えない災害との闘い

私が過去に直面したことがある災害は2018年7月の西日本豪雨災害です.その時は居住している東広島のつながる国道,高速道路,バイパス,JRがすべて寸断されてしまい,数日間の孤立状態になりました.人口20万人の都市が孤立状態になると一瞬でコンビニやスーパーから日用品やおにぎりが消えました.残っていたのはコンビニの激辛即席めんだけでした.また,水没で営業不可能になったスーパーや小売店もあったようで,その時はパニック状態に陥りました.

しかしながら,一度起こってからの復興は,日に日に悪くなるということは少ないです,むしろ1週間ごとに改善されていくイメージのほうがあっていると思います,これは私も研究で分かった知見でもあるのである程度説得力を持って申し上げます.

しかしながら,この感染症との闘いは,まるで世界一周するように,感染者の少なかった国・地域を順番に攻め落とされるようなイメージです.これほど地域経済にもグローバル化が進み,私たちの使用する日用品,食品などを中心に多くのものが世界のあちこちで生産された商品を手に取ることができます.

一方で中国が第2波を警戒して鎖国状況に入ったことを皮切りに,まずは自国の経済復旧を最優先にするあまり,これから警戒するべき日本などの国が日用品を得られない状況が,2020年3月4月の時点でも続ています.このマスクをはじめとした「withコロナ」時代に必要な物資はいつ行き届くようになるのか.先が読めない戦いをする私たちは非常に不安を感じます.また,急に物資が行き届くことによる価格の暴落は注文取りやめも危惧しています.せっかく供給しようと思って作ったのに,作った時にはみんな持っていて要らなくなったということでは,あまりにも損害が大きすぎます.こうした対策については政府はまったく考慮せず補助金だけばらまいて作らせようとする姿勢はいかがなものです.日本の中小企業を馬鹿にしているようです.

やっと動き出した補償対策は評価しますが,こうした物資生産への雑な扱いはちょっと怒りを覚えます.マスクなどの必需品は,言葉を変えれば戦時における物資です.いまこれらの生産と販売には資本主義な対応は無理です.国ですべて一括で買い上げるくらいのことしないと必要な人に回しきれない状況です.

必要な人がいる限り頑張りたいけども…

私も一学生であり,みんなこの2週間ほどでかなり疲弊しています.疲弊しないように休みを取りつつ取り組んでいますが,それでもかなりの労力とストレスの回復を余儀なくされています.

こうした事態が長く続けば,いずれひずみが生じます.人員が倒れたり,手伝ってもらえる学生が居続けられないということもあります.これからどうなるかわからない状況で,抜本的な手立てがないのがつらいです.いまはただ,オーダーを取り,販売対応をすることしかないのでしょうか.

みんなそれぞれの現場と立場で戦っていることを忘れずに

それでもなお,販売者が販売し続けるのは,ひとえに社会機能の根幹である,モノの売買を止めないことだと思います.中国やイタリアのようにパニックでスーパーに人が押し寄せているところもあると思いますが,いまのところ日本はわりと冷静に受け止めているように感じます.また消費活動がストップすれば,必然的にご飯が食べられない人も出てきます.コロナ以外の理由で人々が困窮します

私たちの供給は必ず誰かを幸せにしており,元気と活力を与えています.

自らの感染リスクを感じながらもなんとか戦っている人がいること,それは割と身近な方でも同じであることを忘れずに供給をし続けたいと思います.

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