「Stay Home」が一般的になり,一眼レフカメラ,ミラーレスカメラの出番はめっきり減りました.しかしながらWEB会議や打ち合わせでカメラを有効利用できないかと考えました.今回は基本的に無料のソフトウェアを使用して,一眼カメラと外付けマイクを利用してWEBカメラを構築するお話です.
デスクトップパソコンで会議に参加したい!

分割払いしたお金だけが口座から引き落とされるたびになんであんな高価なカメラを買ったのかと公開する機会が増えてきました.
ある日,Zoomを使っていて,一つ困ったことがありました.
映っている人を人間と認識して,それ以外の部分を画像に置き換える「仮想背景」を使うには,CPUがIntel Core i7以上のスペックが必要であることでした.私の持っているノートパソコンのCPUはi7ではないため,グリーンバックをわざわざ用意する必要があります.
しかしながら,現実的に一人暮らしの部屋のスペースにグリーンバックを置くのは難しいです.また.いちいちグリーンバックを用意して,終わったらしまうというのを繰り返すのが面倒なので,おそらく置きっぱなしになります.やはりグリーンバックなしで人型にくりぬいてくれる仮想背景を使用したくなりました.
そこでデスクトップパソコンを活用しようと思ったのですが,今度はデスクトップパソコンにはWEBカメラとマイクがついていません.たしかにWEBカメラとマイクはノートパソコンやスマートフォンにはだいたいついていますが,デスクトップパソコンはオプションとして付けるほかありません.
使っていない一眼カメラを有効利用したい!

そこで最近出番のない一眼カメラたちを有効に利用したいというアイデアが生まれました.
Sigma fpとキャノンカメラはUSBケーブルでWEBカメラにできる
Twitterなどで有名なデザイナー「Ando Go」さんがnoteで紹介してからSigma fpを使用すると簡単にWEBカメラとして使用することができるようです.
最近はキャノン(アメリカ)も同様にカメラとパソコンをUSBケーブルで接続して,専用のソフトウェアで立ち上げるとそのままWEBカメラとして利用できるアプリをリリースしました(5/5時点でベータ版).
私の持っているカメラはシグマもキャノンもなかったのでここでは割愛しますが,紹介されている記事やHPのリンクは貼っておきます.
テザー撮影ソフトで画面キャプチャさせる

現在手持ちにあるカメラ本体は
・SONY α7iii
・Panasonic G9 pro
・Olympus OM-D EM10
の3機種です.これらのメーカーと合わせて何とかWEBカメラにできないものかと考えました.そこで以下のサイトが参考になりました.
詳しい内容はHP先に譲るとして要約すると
・以下の方法であれば基本無料で一眼カメラをWEBカメラ化できる
・カメラとパソコンをUSBケーブルで接続する
・テザー撮影で使用するソフトウエアをパソコンで起動させ,ウィンドウとして表示させる.
・OBS Studioというソフトでパソコン上で開いているウインドウをそのままキャプチャできる
・ZoomやMicrosoft Teamsなどで「仮想カメラ」として認識してもらう
・WEB会議アプリにカメラ映像を出力できた
という流れで可能である.
つまり,テザー撮影を行うためのソフトウェアを配信しているカメラメーカーのカメラであればどれでもWEBカメラにすることができるのだ.
調べてみると以下のメーカーはテザー撮影用のソフトウェアを配信している.
無料で配信しているメーカー
・SONY Imaging Edge Desktop
・Panasonic LUMIXTether
・Olympus Olympus Capture
有料で配布しているメーカー
・Nikon Camera Capture 2
30日間は無料,以降有料版を購入する必要がある
無料でここまでできるのはありがたい

現在オンライン会議やMTGが一般的になっている中で,WEBカメラ自体を購入できない,値段が上がっているという声を聞いた.店頭ではほとんど売っていないという地域や時期もあるらしく,とりあえず家に眠っているカメラで対応したいという方には非常におすすめだ.
ひと昔前のパソコンである,デスクトップパソコンしか持っていないという方には非常に重宝するだろう.
また,デスクトップパソコンでつなげられることで,安定的な会議参加が可能になる.ノートパソコンの多くは薄型軽量により,放熱機能が弱いことがある.私はまだ経験していないが,一日朝から夕方まですべて参加型のオンライン授業の学生もいると聞いた.たしかに場当たり的にはパソコンやスマホで対応できるが,一日ずっとオンラインで授業の視聴,ノートやスライドを見ることによって,パソコンなどの機器の消耗を早めることにつながるだろう.
もちろん数日で熱によって壊れるということはないが,長期間ネット授業を続けるのは,デジタルデバイスを個人負担させる状況はよくないだろう.自己負担でパソコンやスマホを使っている以上,壊れやすさを助長させるのはさすがに何か金銭的対策,教職員・学生の割引サービスも拡充させてほしいところだ.
画質面はやはりキャプチャ機器を購入したい
一眼カメラを使ったからと言って,すぐに画質が良くなるわけではない.今回のOBSソフトウエアはあくまでディスプレイ上に表示されている映像をキャプチャしているにとどまる.ディスプレイの解像度以下しか認識してくれない.映像を見てみるとやはりのべったい感じを受けてしまう.普段のクオリティの高いYouTube配信を見てしまうと自前でできるのはここまでかと見劣りしてしまう.
画質のいい映像を配信するためには,やはりHDMIケーブルを介してキャプチャさせることが必要だ.キャプチャーボードはもちろん金額も機器によってさまざまであるが,1~2万程度はするようだ.筆者も今度給付金をゲットできるタイミングがわかれば購入してみたいと思う.
Zoomの仮想背景には一面の布を用意したほうがよさそう

今回はZoomの仮想背景を使いたいためにデスクトップパソコンにどうにか一眼カメラをWEBカメラにして使用したいという強い動機があった.確かにデスクトップパソコンであればそこまで問題ないが,ノートパソコンでは,仮想背景はPCへの負担が大きいことがわかった.騒音レベルを計測したわけではないが,仮想背景を使用した場合とそのまま部屋の映像を使う場合とでは,仮想背景を使用した場合のほうがファンの回転数が上昇して,ファンの騒音が大きくなる.
外付けマイク使用して口元の音声だけを拾うタイプであれば問題ないが,全般の音を拾う内臓マイクを使用する場合は少し注意が必要だ.PC内の雑音やファンの音も発言する声と合わせて拾ってしまい,結果的に音声の劣化につながる.
パソコンの負荷を小さくするうえで,身近にできる対策は,背景に布を垂らすことだ.もちろん前述の通り,グリーンバックを用意すること自体,部屋の空間的問題もあるため,可能な場合についてだ.
垂らす布はタオルケットなど大きい布で十分
タオルケットや大きな布を物干し竿などに垂らすことでアプリ側の空間認識の負荷を小さくすることができるようだ.
一番はグリーンバックがいいが,だれもがグリーンバックを持っているわけでもなく,さらにグリーンバックを新たに購入するのも手間であろう.おうちに使っていないタオルケットや大きい布で十分だ.
これも体感的な感想であるが,投影者の背景に布を垂らした場合のほうが,PCのファンの騒音は小さくなった.
熱を持たせないのはデジタル機器を長持ちさせるのに重要なことだ.少しの手間でパソコンを壊さないようにすることは,今後増えるオンライン会議の突発的な機器不調の抑制につながるだろう.
とりあえずWEBカメラがない人で仮想背景を使い人にはテザー撮影+キャプチャソフトの組み合わせでOK!
今回はZoomの仮想背景を使いたいがために,あえたデスクトップパソコンに即席WEBカメラを合わせて使った感想をまとめた.やはり仮想背景を使ったほうが,いつでも部屋をきれいにする必要がなくなり,さらに同居者や部屋をむやみに移されたくない人にとってはとても助かるだろう.