写真用カメラとしてαシリーズ,Eマウントでそろえていこうと決めたAkkiy.そんな彼に立ちはだかる問題は,望遠レンズ問題である.
望遠レンズは主に焦点距離70mmから200mm域をカバーするものであり,言うまでもなく,多くのカメラマンに必須のアイテムである.とりわけイベントや学校撮影を担当する際に発生する,どう頑張っても近づけない場面ではとても重宝する.報道やスポーツ撮影となると400mm以上の超望遠域のレンズはとても効果であると知らている.
一方でどのレンズを選ぶかは非常に悩みの種である.
基本的にはカメラ全般として近いものにピントを合わせるよりも遠い距離にピントを合わせるほうが難しい.さらに10年以上前の設計レンズとなるとピントが合ってくれなくなり,ただのでかいマニュアルレンズと化してしまうことはよくある.
しかし,新しいレンズは値段が高い.どう折り合いをつけるかはカメラマンの予算で決まるが,ピント合わせや使い心地は広角,標準レンズ以上に重要になってくる.
今回私を悩ませているのは,タムロンから新しいEマウント用の望遠レンズが発表になりそうだということだ.ちょうどこの前EF70-200mmf4遠しズームレンズの購入を決めたばかりにも関わらず,ちょうど近い焦点距離でf2.8遠しレンズを発表するというではないか.
SONY Alpha Rumorに掲載されている情報はこちら↓
Press release: Tamron Announces the Development of Compact and Lightweight High-Speed Telephoto Zoom Lens for Sony E-Mount Full-Frame Mirrorless Cameras
今回はタムロンから発表になりそうなレンズと購入を決めたばかりのf4レンズとを見ていくことにする.
噂されているタムロン70-180mmf2.8望遠レンズとは?


タムロンから10月24日にも発表間近とされているレンズは,今や人気レンズとなっている広角レンズ17-28mm,標準レンズ28-75mmf2.8に続く望遠レンズという位置づけになる.これにより今まではソニー純正でしか揃えることができなかったf2.8遠しズームレンズをタムロンというサードパーティー製で安価に,軽量なレンズを購入可能となるためである.
ここで重要なのが安価でありかつ軽量であるという点である.
タムロンの一連のシリーズは,SONYα7シリーズに合わせて,小型軽量を開発方針として掲げており,SONY純正で代表されるGM(Gマスター)レンズの高画質に耐えうる大型設計と対照をなすレンズ群となる.
さらに,これまでEマウント対応の望遠レンズはSONY純正のみで,シグマ,タムロンともに75mm以降のズームレンズはそもそもなかった.そこで噂されるのが70-180mmf2.8レンズである.
小型軽量設計で大三元望遠レンズがこんなにコンパクトに!?
執筆時点(10月22日10:00現在)では.未発表であるが,テザー写真を見る限り,28-75mmレンズより約1.2倍ほどの大きさであることが推察される.
主にハイクラスに位置づけられる大三元レンズはインナーズーム方式をとられることが多いが,本レンズはズーム時に鏡筒が伸びる方式であろう.
- さすがにこの小ささでインナーズームにはできない
- 標準レンズも繰り出し型なので,本レンズも同様の機構になるはず
の理由により,完全なハイクラスを見据えたレンズというよりは,あくまで軽量に取り回しが効くという面で使えそうだ.
価格面はある程度お手頃なのでは?
やはりもっとも気になるのは価格面ではないでしょうか.
現在は何も発表されていないのでわかりませんが,28-75mmレンズや17-28mmレンズの発表時を参考にして推察したいと思います.
TamronとEFレンズとの比較
表1:フルサイズ用Eマウント広角レンズ比較
メーカー | 焦点距離 | 絞り | 重量 |
価格ドットコムの新品最低価格 |
Tamron | 17-28mm | f2.8 | 420g | 98,500円 |
SONY GM | 16-35mm | f2.8 | 680g | 210,000円 |
SIGMA Art | 14-24mm | f2.8 | 795g | 144,000円 |
SONY G |
12-24mm | f4 | 565g | 130,000円 |
SONY Zeiss |
16-35mm | f4 | 518g | 125,000円 |
表2:フルサイズ用Eマウント標準レンズ比較
メーカー | 焦点距離 | 絞り | 重量 |
価格ドットコムの新品最低価格 |
Tamron | 28-75mm | f2.8 | 550g | 85,000円 |
SONY GM | 24-70mm | f2.8 | 886g | 210,000円 |
SONY G |
24-105mm | f4 | 663g | 130,000円 |
SONY Zeiss |
24-70mm | f4 | 426g | 88,000円 |
表3:フルサイズ用Eマウント望遠レンズ比較
メーカー | 焦点距離 | 絞り | 重量 |
価格ドットコムの新品最低価格 |
Tamron | 70-180?mm | f2.8 | ?g | ?円 |
SONY GM | 70-200mm | f2.8 | 1480g | 254,000円 |
SONY G | 70-200mm | f4 | 840g | 121,000円 |
※各表の新品最低価格:価格ドットコムで2019年10月22日現在の価格を千円台で四捨五入している.
3つの表は広角,標準,望遠レンズでEマウント対応のズームレンズの比較である.これらを見てわかるタムロンレンズの傾向は
- 焦点距離の若干の違いはあれど小型軽量は最優先されている
- ズーム時は繰り出し型
- 重量はf4遠しレンズと同等,またはそれよりも軽量
- 価格は同種レンズで最安値
とわかる.とくに望遠レンズは同種レンズにSONY純正のf2.8かf4通しかないため,これまで通りの4点の傾向はすべて抑えてくるだろうと思われる.
ズバリ,タムロン新レンズの仕様予測はこれだ!
これを踏まえてタムロンの新望遠レンズの仕様は.
- 70-180mmカバーの望遠域
- 重量約700~800gのf2.8通しレンズ
- 価格は95,000~110,000円前後
- 大きさはタムロン標準レンズよりも2周りくらい大きい
と予想している.これだけ見ると確かに10万円ほどを払っても買いたくなる,いやいままでこんなコンパクト軽量を兼ね備えたレンズはなかったであろう.
予想されるメリットとデメリット
考えられるメリットは次のようになる
- 約10万円というハイコスパ
- いままでの重くてでかいf2.8通しレンズとはおさらば
- 持ち歩けるf2.8通しレンズということで路上ポートレート,旅レンズにも使用用途が広がる
- 85mm,105mm,135mm,150mmのf2.8単焦点がすべて詰まっているとみなせる
逆にデメリットは以下になる.
- 200mmまでの20mm分が惜しく思えることがあるはず
- レンズ側のボタン数は少ない
- インナーズームではなく,繰り出し型であるため防水性の低下
- 素材はプラスチック素材であり,剛性の強さは見込めない
あたりであろう.また,現時点ではあまりわかっていないのは以下の2点である
- α7Rシリーズの高画素機に耐えられる画質なのか
- レンズ鏡筒がどこまで伸びるのか
28-75mmレンズは高画素機モデルには耐えられないということはすでに指摘している記事がある(参照: とるなら~写真道楽道中記~タムロン28-75mm F/2.8 Di III RXDは妥協点もあるがきちんとした光学性能のレンズ【海外の評価】 ).本レンズもα7ii, α7iiiなど2400万画素モデルあたりでの使用を目的としている可能性は高い.
SONY純正レンズとの迷い


購入を検討するべきレンズは次のようになる
- EF70-200mm f4 G
- EF70-200mm f2.8 GM
の2本である.

画像元:デジカメinfo
これらはインナーズーム方式であり,防滴防塵効果は高い.さらに鏡筒の側面に各種ボタンやAF/MFなどのスイッチが存在することで,動体や照度環境が変わりやすい過酷な環境下でスムーズな撮影をサポートしてくれる.
さらにf4と言ってもあくまでGレンズである.Gレンズとして高画素機でも耐えうる描写をしてくれるということだ.現在または将来的に高画素機で望遠レンズを使用する可能性がある場合は,SONY純正を使用するほうがいいかもしれない.
一方で,一連のタムロンレンズはこれらボタンやスイッチは設けられておらず,本体側のボタン,メニューから変更する必要がありそうだ.こうした細かな設計は,一般的に考えらえれる状況ではメニューから操作すればいいじゃん?となるが,依頼の撮影の際には一瞬を撮るべきタイミングもあるはずだ.ちょっとした物理ボタンが現場では大事になるため,仕事用レンズ,普段使い用レンズと分けることもできる.これはカメラ所有者の仕様方針によって決まるというところが性格であり,タムロンにも純正にもメリットデメリットがある.
コンパクトに望遠レンズを持ち歩きたい人はうってつけ!
タムロンの新製品となる本レンズを購入する際のポイントは
- 小型軽量設計により大三元望遠レンズをコンパクトにしたい
- 28-75mmや17-28mmレンズをすでに所有していて,それらに合わせたい
- 純正よりも安価に購入したい
- 高画素に対応してなくて大丈夫
という人には非常にコストパフォーマンスに優れたレンズとなりそうだ.