前回に引き続きSAMYANG14mmMFを題材に紹介します.
前回の投稿では風景もスナップも手軽に使える超広角レンズであるとお伝えしたのですが,とりわけスナップでの使い方でモノクロとの相性がいいなと感じたので,それについて紹介します.
14mm超広角が織りなすモノクロスナップ

モノクロは取り立てて超広角レンズと合うわけではないのですが,一見風景や広い視野での撮影のイメージが先行する一方で,日常スナップ的な使い方もできるよという紹介をただただしていきたいのです笑
道端で見かけた廃車の車をスナップしたのですが,ちょっと寄って正面から撮りました.水平を出すのが難しかったです.
映した対象が昭和を感じさせただけかもしれないのですが,これにはモノクロ表現が質感や距離感がとても合うな思ったのです.比較対象用に,↓にもともとのカラー写真を掲載します.

これでも悪くはないのですが,前回の記事でも紹介したように,広角レンズは広く映せてしまう分,情報量が大きくなりがちなのだと思います.たぶんモノクロを使用することで周辺減光効果もあってか,中心部への視線集中,誘導性が高まるのではないでしょうか.
また,広角レンズはぼかして使うこともありますが,やはり絞って使うことが多いため,被写体を浮かび上がらせるのがあまり向かないのもあると思います.
モノクロを当てることで,情報量の整理や視線誘導性が高まるのではないかと考えています.
あと,作例はないのですが,本レンズはf値開放のf2.8は描写が甘い気がします.最低でもf4くらいに絞って使っています.そのためこのレンズを使用するときはボケを期待していなかったからf値大きめに撮影していました.
引き出したい対象の質感をモノクロで表現する

前回も紹介した写真にはなるのですが,こちらはアスファルトとモノクロの合わせ方が良かったです.特に狙った対象があったわけではなく,地面から撮ったらどんな画が撮れるのかなというトライの気持ちで撮ってみました.
モノクロも粒子の大きさ,量,周辺減光の度合い,ホワイトよりかブラックよりかなど,モノクロとひとえに申し上げてもさまざまあるのは重々承知なのですが,たまにはカメラに入っているモノクロモードを試してみるのもいいかもしれないですね.
こういうのをやってしまうとFUJIFILM Xシリーズのフィルムシュミレーションも興味がでてきてしまいそうですが笑
スナップ作例
クルマの写真はもうちょっと撮っていたので以下に掲載.

このレンズは電子接点がないのでF値情報が残らないのですが,どの写真もf値8~11の間で撮っていたと思います.風景写真はf16くらいまで絞ることもありました.

エンブレムを寄って撮るとぐっと引き締まった写真となった.

ウィンドウとの隙間にたまった植物は枯れ葉が多かったのでモノクロにしてみました.自分の姿が入ってしまっているのですが,そこまでうざくなかったので作例に上げました.逆にちょっと映り込んでいるのは悪くないけども,カラーよりもモノクロのほうが影の感じが出ていいなと.
おわりに:超広角こそ情報量の整理にモノクロもあり
記事を書いてみて,モノクロ表現は情報量の整理に伴って,視線誘導性,質感の引き出しを行うことができることで効果的であるとわかりました.モノクロ表現は広角に限った話ではないのですが,広角,超広角では,こうした問題に当たりやすいために有効であるという解釈をしていただけると幸いです.
これからも超広角のスナップにチャレンジしていきます.