広大と学歴コンプと僕

歴コンプレックスについて連載することになってしまいましたが,筆者の体験ととともにお伝えしていこうと思います.

2つ目の記事でもお伝えしたのですが,学歴コンプレックスと広島大学の関係性について論じました.

①学力的にすごく中途半端
②娯楽が周りになく,都市からも遠い
③学力レベルはそこそこなのに情報・機会格差が大きい
④何かに突出した学生が少ない,生まれにくい

この4点によってコンプレックスをいただきやすいというのを紹介しました.

今回はこの4点のうち筆者がどう向き合ってきたか,完全になくなることはないが,あまり気にしなくなった過程について紹介しようと思います.

なぜ広大に入学してコンプレックスってなぜ抱く?

自分の中で学歴コンプレックスの抱く要因や具体的な内容をまとめてみました.

所属大学に関する内容は次のいずれかになると思います.

・行きたかった大学に行けなったつらさ
・今の大学に行っている自分を受け入れられない戸惑い
・思っていた学歴がない自分に対する将来の不安

地方だからというのであてはまる内容は次の通り

・いわゆる「都会で遊びまくる大学生活」とは程遠い
・イケてるベンチャー企業や中小企業が少なく,活動の範囲も狭い
・大学,サークル,自宅以外の心の依存先が少ない
・ほか大学との関わりも少ないので,大学内で関係性が完結してしまう

広島大学東広島キャンパスは立地も含めると,大学自体に言えることと地方で機会が乏しいことのダブルでコンプレックスを抱きやすい大学であると言えます.

これらのうち大学自体に関することは2本目の記事で書いたので,そちらを参考ください.ここではどちらかというと「地方だから」ということで当てはまることでコンプレックスとの向き合い方を紹介します.

学力的中途半端さと都市から遠い大学と私なりの向き合い方

入試時の学力偏差値の中途半端さとかなり田舎である立地については前述のとおりです.これらについての私の捉え方が変化したのは,アメリカの大学と大学生の姿をみたことがきっかけです.

短期留学を通じて,海外の大学は広島大学のような姿がわりと普通の大学の姿であると気づきました.主に学部1年生向けのSTARTプログラムに参加したときのことです.アメリカのJMU(James Madison University)という大学に行ったときのことです.本当に周りに何もない,都市部から車でしか行くことのできないところに超広大な大学がありました.

当初はとんでもない田舎に来てしまったなと思ったのですが,それは違いました.毎日魅力的な講義と大量の宿題に追われるにも関わらず,将来の夢のために明るく必死にがんばるアメリカの大学生たちをたくさん目にして,環境のせいにしていた自分もなんだか子供だったなと我に返りました.

これは今でも大きな体験だったなと思ったのですが,これだけオンラインで多くのことができる時代に,学び舎が田舎だから何もしないというのは違うなと思い始めましたね.

都会へあこがれと長期休みでの東京生活

アメリカで体験して心を改めなければなと思ったのですが,それでもやはり日本では都会中心主義な感じは否めません.そこで私は長期休みをできるだけ都会で過ごすことにしました.

親戚,友人,先輩にお願いして,長期休みはなるべく東京や大阪にいました.おかげで都市部には頼れる仲間ができました.また交通費もかかるので,1年生のころから就活イベントへの参加や学生団体の活動という目的で交通費の一部を浮かせました.

荒川電鉄に乗って写真旅してみたり.
浅草や京都などいわゆる観光地にゆっくり行ってり.
就活イベントで全国から集まるおもしろい学生に会ったり.
短期のアルバイトを見つけて時給1000円で働いてみたり.
学生団体で超エリート大学生と一緒に活動したり.

長期休みは本当に楽しかった.ふだんのつまらない生活のうっぷんが一気に発散される感じでした.それが周りの広大生と違う生活ができている気がして,優越感に浸ることもありました笑 ともかく心理的うっぷんを晴らすことは重要です.溜め続けてはあまりいいことはありません.自分のスケジュール的にできる範囲で実家なり都市なりに出てみるといいと思います.

都会に出てみて感じた「東京人」との違和感

前述より,だからこそ,東京の大学生とはちがう視点も持っているなと思いました.東京の学生には,生まれからずっと東京23区でしか生きていない方,私は「東京人」と呼んでします.何も蔑視するいい方ではなく,同じ日本人でもバックグラウンドがあまりにも違うため,このような言い方をしています.

彼らは小学生のころから当たり前のように渋谷や原宿に行き,当たり前のようにスターバックスで流行りの飲み物を手にしています.毎日の生活が常に日本の,世界の流行の差先端です.一見素晴らしくあこがれる生活に見る方もいると思いますが.

一方で彼らには見えないものがたくさんあります.地方と都会のあらゆる格差です.

所得格差
地方の車生活
選べる進路の狭さ
親の凝り固まった考え方
友人知人のつてやコネがない状況

これらほとんどに本当に経験がないのです.恵まれている人もいるものですね,と嘲笑したいわけではありません.彼らも同じ日本人であり,一緒に働いていくことになるんですね.

彼らと話してみるとその言葉の端々にこれらの要素が欠けているため,会話中に「?」となることがありました.日本の諸問題についてちょっと真面目な議論をすると,「本当に日本の問題について考えている?」と感じることもありました.その分野に素人であってもその違和感はわかります.感受性の豊かな若いころに地方での不満,不安,困難を身をもって経験することは,今後のビジネスアイデアや行動力に多大な影響があることは後述する,筆者のカメラマン活動で紹介します.

地方だからできる0→1体験

カメラマン経験が人生の糧に

地方だと多くのことが不足しており,何か新しいことをするにも文化的土壌がありません.しかしながら,多くのことが不足しているがゆえに,学生レベルでも社会人と対等に仕事をすることができます.それもビジネス的にわりと低いレベル(簡単,単純という意味ではありません,新規参入の障壁が低いという意味)でできます.

私はカメラが好きだったので,写真や映像制作で何かしてみたいなと思いました.

写真部の活動で知り合った方を通じて,地域のお店やテナントさんの企業CMをつくっています.2020年4月で丸2年担当しています.担当したテナント数は15を越えました.

またあるときには,ボランティア活動などで知り合った方を経由して,企業の新卒向けパンフレットの写真撮影もしました.職場にお邪魔して,インタビュー風景やお店の外観撮影を行いました.

詳細な実績は記事にしているのもあるのでよかったら見てみてください.

地域のビジネスマンからしても,プロに頼むほどではないけども頼みたい仕事というのはいくらでもあるのですが,意外と頼みたい人とそれができる人が繋がっていないんだなということがわかってきました.これは一つ地方に在住したから気付いたことで,かつ自分の得意分野でお仕事にして収入源にできたのはとてもありがたいことでした.

次につながらない単純労働しかしてこなかったアルバイトよりもよっぽど自分事になったし,アポや連絡の取り方もやりながら学ぶことができたのでとてもうれしかったですね,社会的にも成長できました.

さらにこのことを都会の学生に話すとすごく驚かれます.たしかにカメラマン自他はそこまで社会的に難しい職種ではありませんし,資格業もでありません.ですが,自分のスキルで社会に貢献する姿は意外と少ないようです.

それよりも「アルバイトでスタバで働いている」「インターンで有名企業で働いている」ということのほうが彼らのもっぱらの話題です.インターンももちろん専門的に従事している学生もいますが,実際の多くはテレアポや営業など正社員ではコストになることを任せているだけの企業も少なくないです.

「学生のためになるよ」
「ESでガクチカ(学生時代で力をいれたことの略)に書けるよ」

など安易な誘いが多く出回っています.彼らは表向きには地方の学生をインターン生として雇っているといいますが,実際には会社のコストカットのため,アルバイトの形で労力のかかる仕事を任せているところもあります.

※もちろん営業が悪いと言っているのではありません,それが実際に学生のためにきちんとスキルベースで教育されている会社さんもあります.ここでは,ただ営業活動をインターンと称して丸投げしている企業のことを指しています.

写真でイベントも開いてみた

写真部の先輩後輩の仲間と一緒に写真を語る会をしました.

共通の趣味でいい時間を過ごすとは何か,どうイベント性をもたせて,せめてお菓子と飲み物代は回収できるように会費を払ってくれるようなクオリティを担保するかなどたくさん試行錯誤をしたのを覚えています.

イベントを開いている側なの自分の写真はなくて恐縮なのですが,社会人も学生も日本人も外国出身の方も,みんな写真が好きというだけで集まれるいい機会になりました.

結局コンプレックスはどうなったか

少しまとめますと,入学初期のころは学歴や勉強面,大学のネームバリューや立地のことでしか,他人と推し量れないことが挙げられると思います.

私は良くも悪くも地方と都会を行き来したり,地方のわりに大学の外に出てみるチャンスが多かったのが,学歴コンプを感じる度合いが相対的に小さくなったのかなと思います.

心理的依存度という意味でも大学,サークル,自宅(自分)のこと以外にも楽しみややりがいを見出せるといいかもしれませんね.何も上述のように人の目を引く何かをする必要はありません,ただ,例としてこれくらいとびぬけたことをしてもいいのではという気持ちで紹介しました.

勉強も専攻以外のことを学んでみたり,講義を取ってみたり.今でも工学部の授業よりも文化人類学の授業のほうが記憶に残っています笑

できる範囲でアクションをしていくとわりとできることも増えていくと思いますので,コンプレックスとの付き合い方にご参考になれば.

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