選挙メディア戦略の全貌に迫る 選挙戦と動画・写真の本質

選挙メディア戦略の全貌に迫る 選挙戦と動画・写真の本質

今回はテクニカルなポイントとして、選挙戦における動画づくりはどうあるべきか、戦略をどう立てるかについて紹介します。

三原市長選では3本の動画をはじめ累計3.4万回再生を達成!

筆者が選挙対策における現場制作者兼マーケターとして主体的に進めているSNS広報のメインコンテンツの一つ、「ダイジェスト動画投稿」が挙げられます。これは、演説会、事前撮影のインタビューなどをもとに、Twitter、Facebookなどに投稿することを目的とした30~90秒程度のショートムービーを指します。

今回も動画発信の効果は大きく、累計再生回数3.4万回を超えました。

おかだ陣営SNS対策チームで制作した動画再生回数

上記に加えて、ウグイスさんや学生チームが投稿した日常的な動画投稿も含めるとおかだ氏のアカウントによる投稿はかなり閲覧されたと言えるでしょう。

ちなみに選挙戦における動画投稿の有効性は、2019年統一地方選で実証されています。

2019年4月上旬 広島県議会議員 東広島選出 恵飛須圭二議員 選挙戦
SNS上での動画累計再生回数2万回以上
街頭・ホールなどでの個人演説会を60秒程度でまとめた動画づくり

2019年4月下旬 東広島市議会議員 鈴木英士議員 選挙戦
動画累計再生回数 2万回以上
・質問に答えるFacebookライブ配信
・インタビューをもとにしたダイジェスト動画づくり
※東広島市の人口 約19万人

加えて今回はコロナ禍ということもあり、これまでの選挙戦で一般的な公民館や文化ホールでの一般演説会の開催が極めて困難であり、屋外であっても回数も抑えられました。

今までは演説会の開催時間帯に参加できない20代、30代に向けたFacebook・YouTubeでの動画配信であったのですが、今回はコロナ感染を見据えてイベントや事務所にあまり足を運べないシニア層などにも向けて広報発信する目的としても動画配信を行いました。

8/7(金)個人演説会@リージョンプラザ

戦争と平和ニュースと選挙戦 予想されるトレンドを事前にチェック

2018年8月6日筆者撮影 広島平和式典 

今回は河井夫妻問題を契機にした前市長の辞任による選挙であり、選挙戦ムードを形成するだけでもかなり苦戦しました。さらに8月上旬は、

8/6(水)8:15 広島平和の日
8/9(日)11:15 長崎平和の日

と全国的にホットな話題になる戦争の歴史に関するニュースが多数流れる状況であり、SNS広報はかなり難しいタイミングでもありました。平和関連のニュースが多くなると見込まれる中で、TwitterやFacebookのタイムラインに如何に選挙戦の雰囲気を共有してもらい、岡田氏の考えを見てもらうかが課題でした。

ホットニュースの日時を回避したSNS投稿スケジュールを立案

平和関連のニュースは必ず流れるので、そこで作り込んだコンテンツを投稿しても十分な効果は発揮できません。そこで前後の日にちや早朝・プライムタイムなどに時間帯をずらして投稿するという戦略をとりました。

選挙戦でのコンテンツづくりは、作った投稿はすぐに流していくというのが従来の望み方でしたが、今回はスケジュール感を意識して、素早く作ったり、少し時間をかけて作ったりと流動的に制作陣が対応する方式を取りました。

選挙は候補者の人柄と信条を伝えるきっかけづくり

選挙戦と言うと選挙事務所サイドが恣意的に候補者のことを祭り上げ、神格化することのように聞こえるかもしれませんが、それは大きな誤解だと思っています。

あくまで選挙事務所におけるメディアチームの役割は候補者本人の人柄や信条、まちづくりに関する考えの発信を通して、有権者が候補者のことを知ってもらう接点づくりです。メディア的なイメージアップやよく見えるようにしたところで、結局政治活動を開始してから発言のちぐはぐや実行力の弱さが見立ち、化けの皮がはがれるだけです。

それよりも候補者本人の人となりや性格など内面も含めて伝えられるようにした方が、総じて市民としてはありがたく、これからもその人に託したいという思いにつながると考えています。

なぜ私は選挙メディアマーケターを続けるのか

一方で選挙戦というのは本当に毎日1分1秒が闘いであり、時間ぎりぎりまで街中を周回して、市民の方にご挨拶して、みなさんのご意見を頂戴するという運動です。候補者、ウグイスさん、運転手さん、事務所スタッフの皆さんは、身体的、精神的に本当に大変な状況を強いられるわけです。

現代の一般市民はこうした姿をあまり見ていないんだろう、見る機会自体少ないのだなと思っています。

本当に必死に取り組んでいる人の姿を直視することはかなり辛いです。ましてや若い方がこうして公衆の面前で批判を覚悟で訴えかけなくてはならない社会状況自体、歪んでいるとすら感じます。ちょっと前まで当たり前だった社会の感受性が損なわれているようでなりません。

炎天下、屋内外問わず駆けつけ、候補者のありのままを伝えるのが私たち選挙対策メディアチームであり、私はその現場制作者兼マーケターとして活動しています。私の選挙に関する夢は、誰かが政治家になりたいなと思ったときに「中野さんがいるから選挙に出てみよう」と思ってもらうことです。

これからも身近に若い政治家がもっと増えていただいて、高校生、大学生、若手社会人が、地域のおじちゃん、おばちゃん、ママ・パパさん方と気軽に地域や政治に関する考えを共有できる日が来ることを願ってなりません。

学生チームの本気も魅せられた!

今回は総勢15名の学生チームによる選挙応援も大活躍でした。カメラマン、街頭で活動するスタッフ、SNS・ブログ更新などみんなでオンライン・オフラインともに盛り上げることに成功しました。

活動に参加してくれた学生からもブログやツイートによる感想も共有します。

選挙活動を終えて

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