学歴コンプレックスを感じて春を迎えた方へ

学歴コンプレックスを感じて春を迎えた方へ

こんにちは,Akkiyと言います.

4月は新しいスタートとなる方が多いと思いますが,みんながみんな明るいスタートであるとは限りません.そうなんです,スタート時点がみんな浮き立つ足ではないのですが.

今回は私もずっと向き合ってきた学歴コンプレックスについて,その付き合い方や心の整理の仕方を,実際に通っている広島大学での生活にあてはめて紹介したいと思います.

※なるべく客観的に書いていますが,あくまで筆者の主観に基づくものとしてご覧ください.

学歴コンプレックスとは何か

まずこのコンプレックスはどこから来るのか,何を具体的に感じているのかについて考えます.

この記事を読んでいる方の多くの方と同様に,私は大学受験生のころに広島大学に入学することはまったく考えていませんでした.万が一センター試験を失敗したときに受けるかくらいに思っていました.まして,本当に受験することになるなんて悪夢であるとさえ,思いました.

「大学受験生」とあえて言及したのは,私も河合塾札幌校で1年浪人していた生徒だったからです.浪人してまで旧帝大クラスの大学に合格しないのは悪であると思い込んでいました.高3ももちろんでしたが,浪人時代は本当に勉強しました.

大学受験当時の筆者

当時目標としていたのは名古屋大学工学部機械航空学科でした.

交通機関の電車や車,飛行機といった乗り物に幼いころから好奇心を持ち,仕事や旅行を支える乗り物が社会の縁の下の力持ちみたいな感じがして,それをエンジニアとして設計や整備できたらなんと嬉しいかと思いました.

物心ついたころには戦闘機や旅客機への漠然としたあこがれもあり,航空系機械エンジニアへのあこがれが強くなりました.

ただ,やはりセンター試験の苦手な自分にとって,浪人時の2回目のセンター試験は本当につらかったです.二次力はどんどん伸びていくのに,画一的でスピード勝負のセンター試験を乗り切るのがどうにも改善できなかったです.実際に2回目のセンター試験も75%程度で,とても航空学科を受験できるようなレベルではありませんでした.

なぜ広島大学を受けるにいたったか

広島大学を受験にいたる学生の多くは,

・後期試験でセンター+面接だけであるため出願した,前期京大,阪大落ち
・旧帝大,神戸大志望だったが,センター試験の時点で戦略的に広島大学に落とした

あたりが多いです.これらの傾向は理学部,工学部,総合科学部,情報科学部あたりはかなり多い気がします.後期試験であればどの学部もって感じです.

そのほかで広大第一志望だったという学生がいるという状況でしょうか.ただ,この広大を受験する背景はその時の入試改革,センター試験の難易度によるので,一概にどうとは言えないですが.

また,最近は

AO・推薦入試
帰国子女向け入試
社会人をリタイアして入学するフェニックス入試(多くが50代,60代の方)

で合格する学生も増えています.また一般入試であっても

一度社会人で働いていた
高校卒業後数年放浪されていた
目的をもって再入学された
高専,専門学校,他大学から3年次編入された

など入学目的も多様な学生が増えています.

さて,受験の話に戻ると,広島大学に限らず,西日本の理工系学部の得点配分では,センター試験のウェイトが小さく,二次試験が全体の2/3程度の配分である大学が多いです.もしセンター試験で想定より低い点数となれば,旧帝大より1ランク下げた,

広島大学,千葉大学,首都大学東京(現東京都立大学),熊本大学,九州工業大学

あたりを考えるでしょう.

さらに二次試験のウェイトが大きい大学となれば,広島大学あたりを受けるというのは,わりとよくあることです.自分も受験前から想定はしていました.

ただやはりほかの多くの方より一年余分に勉強してきた自分としては,ここは絶対に避けたいという一心でした.

結局センターで思う点数が取れなかったので,やむなく広島大学を受験しました.出願するときが一番悔しかったですね.いままでやってきたことが無に帰す感じでした.2日くらい部屋から出られなかったですね.本当につらかったです.

入学後,コンプレックスはどうなったか

結論から言うと,なくなりはしないです.

むしろこちらから積極的に付き合っていかなければならないものだと思います.

ただ,よく考えてみるとそれは東大に行ったからなくなるのか,はたまた世界トップレベルのハーバードやMITに行けばなくなるのか,という話にもなります.

4年間大学生をして振り返っての持論ですが,おそらく学歴コンプレックスというのはどの大学でもどなたでも持っているものであり,それが個人の頭の中に顕在化した程度が大きいかどうかの問題だと思います.

どんなに第一志望で大学に入学した人でも,就活や日常生活でいつかは東大などと比較されることもあるでしょう.それは家族からの世間話かもしれないし,テレビや雑誌などの特集かもしれません.

広島大学に話を戻すと,工学部に入学したのもあって,周りには「広大は第一志望ではない」という人が多かったです.自分だけではなかったんだなとホッとした一方で,それでもどこか現実を受け入れられない自分とがいて,心理的にぎくしゃくしていましたね.

第一志望に未練があるというのは,それだけ多くの思いをかけて受験勉強をされてきたことの裏返しでもあると思います.僕も同情できる身ではありませんが,上記に記載したように,さまざまな思いをもって広島大学に入学する人がいるということは知っておいてほしいです.

学歴コンプレックスとどう付き合うか

本題の付き合い方に話を移しましょう.コンプレックスの付き合い方にも多種多様な対策と付き合い方があると思うので,想定できる3つのバックグラウンドごとに書こうと思います.

①勉強したかったことと違う分野の学科に来てしまった人

学部一年生のころはほとんど教養教育であり,数学や物理,英語及び外国語,基礎的な専門分野勉強が中心になると思います.まずは勉強したかった分野ついてネットで検索して独学してみるのはどうでしょうか.また実際にその分野の先輩や友人などに聞いて,実際の勉強を知るというのもいいと思います.講義に参加してみるのもいいかもしれません.

本当にそっちに行きたいということであれば,年度末の転学部・転学科,他大学への3年次編入なども頑張ればできるし,勉強するだけであれば講義を取るというのもありだと思います.とくに勉強と研究は全然違うなというのが卒業研究をした私から伝えたいと思います.また高校と大学でも勉強の内容やスタイルが異なります.さらに人文系の問いを立て自らの考えをまとめるのと理工系の体系的に理論を理解する講義でも変わってきます.

できる範囲でまずはトライしてみましょう.

②行きたい大学に行けず,同じ分野の学科にいる人

とく工学部に言えることなのですが,多くの国立大学はJABEEという資格に基づいた講義とカリキュラム設計が行われています.つまり,同じ学科であれば大半の大学では講義内容はほとんど同じです.違うのは,大学のネームバリューくらいです.さらに言えば講義で使う教科書も同じであることが多いです.教科書が同じということは必然的に講義内容も同じになります.上位の大学だからといって特異なことを勉強することはありません.強いて言えば,講義者が自前でプリントを用意することくらいでしょうか.

就活などでほかの大学や企業のの方と交流して思いますが,ごく少数精鋭の募集でない限り,今の時代そこまで大学名で足きりになるということはないと思います.途中で就活はやめましたが,そこまで大学名によって選考に通らないというのはなかったかな.いわゆる人脈,先輩後輩のつながりはあっても,不利になることはなかったです.むしろ大学時代の経験や勉強や研究した結果やプロセスのほうがよく聞かれました

こういう方はむしろ地方大学で授業の成績をよくして,決めていったやりたいことができる研究室に院試でチャレンジするなどのほうがよっぽど理にかなっています.

また,研究と学部までの勉強も相関するかと言われるとかなり部分的なことであると思います.なぜなら研究は誰もやっていないことを行うので,体系的に勉強できることはこれからの研究にならないからです.むしろ,研究室を選ぶときに成績が足りなくて行けなかったという話のほうがよく聞きます.

さらに,旧帝大クラスになるとより成績の熾烈な争いは増します.それだけ「勉強はできる人」が多いからです.

3,4年生で配属となるまでに成績を固めておいて,配属時や院試時に希望する研究室やゼミにチャレンジするほうが戦略的にもいいのではないでしょうか.

③なんかわからないけどもコンプレックス気味な方

むしろこちらのタイプの方のほうが多いのではないでしょうか.義務的であった高校と,部分的に義務的であり,主体的でもある大学とは,さまざまなギャップがつきものです.学歴コンプレックスに加えて,高校と大学とのギャップも心理的に大きなことが多いです.そういう人はむしろ後述する大学の勉強以外のことにチャレンジするのもいいかもしれません.

  • 海外・国内の一人旅
  • 企業へのインターンシップ
  • 起業や新規ビジネス
  • 音楽や芸術,プログラミングによる開発など自分の得意領域に集中する

などにチャレンジされる方が多いですね,ここに挙げていないことに挑戦されるのも大いに結構だと思います.

大学のスケジュールと並行して行う方もいらっしゃるし,休学やギャップイヤーをして時間をつくる方もいらっしゃいます.学部学科のカリキュラムによって大学での忙しさは本当に千差万別です.自分にあった時間の作り方をして,ゆっくりチャレンジしてみるのもありです.

以上3タイプ毎に分けて書いてみました.

おわりに 学歴コンプレックスは付き合っていくもの

学歴コンプレックスは何かによって解消されるものではありません.仮にいまから希望の大学に入りなおしたとしても,現役ではないから,私は多浪だから,などど今度は学歴以外のコンプレックスを抱えることでしょう.また,受験というのはかなり残酷で大学名でしか結果を表せないことにあります.一通過点に過ぎないのに,入学する大学の名前は日本ではインパクトが大きいすぎます.なぜなのか私にはわかりません.

今の私からすれば,ある人とお話してみたいポイントといえば,学生のうちにチャレンジしたいことができたのか,そこから何を学んだのか,その時のエピソードなどを人と話すときに聞くと思います.大学名で人を判断するのはちゃんちゃらおかしいです.そんな人は学生でも家族でも社会人でもろくな人間にならないです.関わらないでおきましょう笑

また,上記に挙げた何かに挑戦する学生は,友人も知人もいない入学初期には接点がないとは思いますが,Twitter,Facebookで探してみたら意外と見つかります.多様な生き方をしている広大生は多いです.彼らもまた,何かしらに息苦しさを感じて,時間と労力をかけて自分なりのチャレンジをしています.今後反響が多ければ,僕自身や彼らのことを紹介もしてみたいなと思います.

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